若鬼士会

『若鬼士会』とは、三州鬼瓦製造組合に加盟している若手鬼師の有志団体です。 各地のイベントやボランティア活動に参加し、三州鬼瓦の良さを知っていただけるよう努めております。
皆様のご意見・ご要望をお待ちしております。気軽にお問い合わせください。

2008年07月08日

手懸けた鬼瓦、「その後」・・・

自分が手を懸けた造ったあの鬼瓦は、今頃どうなっているんだろう?

このように考えるのは、私だけではないと思う・・・
何かと思い入れの深かった仕事はなおさら、そう感じる。


週末の午後、
茹だる熱さの仕事場を抜け出し、滋賀へ出向いた。
ちょっと贅沢して、新名神経由。
家から栗東IC.まで2時間弱。快適、早い。

shohrinji.0.jpg

用事を済ませ車に乗り込み帰路に着く・・・

ちょっと待て、
1年前にやった鬼の現場は、確かここから近いはずだ・・・

急に思い立ち、ちょっと足をのばしてみる。

制作当時には、住職さんはじめ数名がわざわざ工場見学にみえた。
その時のやり取りなど、薄れた記憶をもとに辿ってみる。


湖畔の集落に差し掛かった。
注意深く見ていると、この周辺は結構お寺が多いことに気付く。

多分このあたりだと思うけれど・・・
集落の中で一ヶ所、周りを木々に囲まれた、それらしき場所がある。
外から見ただけでは、寺なのか何かは分かり辛い。

車を停めて狭い路地を塀づたいに、ぐるっと廻ってみる。

こじんまりとした山門を発見。


「これだ!」


入って良いものかと中をのぞいて見る。

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すると、そこは・・・別世界。

けっして広くはないが、
敷石と苔、庭木の緑の絶妙なコントラストの空間が広がっている。


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庭についての知識は乏しいが、
永い時間の経過を、侘び寂を感じさせる。

日本人だから潜在的にそう感じるのか・・・?


心地よさに誘われ中へ足をすすめてみる。


「あった!」


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自分の手元を離れて1年ぶり、鬼瓦との再会である。

shohrinji.02.jpg
大工さんがみえたので会釈。
中造作をやってみえる。

まだ完成してないのか・・・丁寧な仕事だなぁ、と感心。


そうこうしていると、竹箒片手にTシャツ短パンの日に焼けた
初老の男性が近づいてきて、声をかけてきた。


「お久しぶりです」


・・・・あっ、以前、うちにみえた住職さんだ、憶えていてくれたんだ!・・・


「どうも、ご無沙汰しています。
近くまで来る用事があったので、ふと、想いだして足が向いてしまって・・・。」


「遠いところご苦労様です。憶えていてくれて光栄やな。
屋根、立派に出来ましたやろ・・・皆さんのおかげです。」


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感無量・・・・


寺の由来、庭の事、鬼へのこだわり・・・
住職が、やさしい面持ちで語る。

裏で作業していた左官さんも加わり、話が尽きない。


shohrinji.05.jpg


陽がかなり傾いてきた。

完成後に、またお邪魔することを約束。

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帰り際、山門を出て、

ふと、足元を見ると・・・・かわら


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久しぶりに優しい気分に浸れた、午後のひとときでした。  by ひこにゃ


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posted by 若鬼士会 at 17:40| Comment(5) | TrackBack(0) | お気楽ダイアリー
この記事へのコメント
自分たちの手を離れた後ってなかなか分らないのですが、
偶然再会したりすると嬉しいですよね〜

ウチもSLという変わった輸入瓦タイプの瓦があるのですが
これは出る棟数も少ないし、こだわりの品なので
完成すると見に行ったりします。
キレイに仕上がってるとすごく嬉しくてやる気がでますよね!

頑張りましょう!
Posted by 山平 at 2008年07月09日 09:20
 長くうちの会社に勤めていた配送用の車の運転手の助手席に乗って移動すると、「この部落のこの家とこの家とこの家は、自分が瓦を運んだ!」等の声が聞かれ、その運転手なりに自らの仕事にプライドを持っている様子がうかがえ、大変嬉しかった記憶があります。

 関係者それぞれが自信とプライドを持ち、人と人とが繋がる仕事が出来るというのは素晴らしいことですね!
(最近そんな現場が激減しています。ただ、うちの会社でもまだ残っていますよ)
Posted by 山本大成 at 2008年07月09日 11:55
なかなかおもむきのあるお寺ですね〜
私もうちで作った金の鯱がのっている現場を見たことがありません、一度追跡調査をして伺いたいと思いました。

ひこにゃさんの鬼瓦、いいですね!
とってもきれいです!!
Posted by 加藤@丸市 at 2008年07月09日 15:26
素晴らしですね!
自分のした仕事、自分のした事で喜んで頂けることが、私の喜びであり、幸せです。
Posted by 梶川賢司 at 2008年07月10日 11:20
山平さん・・
自社の「こだわり」の製品というのは、特に動向が気になりますね。
うちは、これといった量産タイプのオリジナル商品というものが、残念ながらありませんので、こだわるといったら、細工物、復元物を、ご希望に沿ってがんばって造ることくらいです。
一品物が多いので手間がかかり大変です。「細工貧乏」とはよく言ったものです。
ものづくりは嫌いではないので、反面、やりがいはあります。

山倉さん・・
>関係者それぞれが自信とプライドを持ち、人と人とが繋がる仕事が出来るというのは素晴らしいことですね!<
同感です。
低価格で、数で勝負される方も見えれば、そこそこのいい価格で、
仕事を丁寧にこなす方、お客様のタイプも色々です。
不思議な事に、後者が仕事が少ないかというと、そうでもないようです。(楽観は出来ませんが)
例えがおかしいかも知れませんが、うちのお客様で、未だにF型は施工したことが無いという屋根工事屋さんも見えます。
話を伺ってみると、いつも心掛けている事は、どんな現場でも必ず最低一ヶ所は、特別に手間を掛けて「ここ」という「見せ場」をつくるそうです。
そうすれば、自分のやった屋根が自然と広告になるそうです。結果、口コミや施主からの指定で仕事が来るそうです。
このお客様とは、長い付き合いになりますが、当然、鬼瓦に対する細かい指定、チェックはかなり厳しいです。
しかし、ここはこうすると綺麗な線がでる・・・こうした方が屋根屋は施工しやすい等、施工側からのアドバイスがもらえるので大変、勉強になっています。

加藤@丸市さん・・
ぜひ、おすすめします。
とにかく多くの物件をみてまわり、目を肥やす事は自身のスキルアップに繋がるかと思います。
お褒めの言葉ありがとうございます。
画像が小さいので、アラが目立たないだけです。一生修行です。

梶川賢司さん・・
ありがとうございます。
みんながそんな気持ちを持ってくれたら、平和な世の中になるのに。
究極です。まさに、仏の境地です。

Posted by ひこにゃ at 2008年07月10日 18:16
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